日本で貝殻を拾って生活していたユダヤ人青年が世界一の石油王に!?
横浜に到着したサミュエルの手元には、わずか5ポンドだけ。今のお金に換算すると5万円程度。身を寄せる場所もなく、彼は湘南の海に向かい、今にも崩れそうな無人の小屋に潜り込みます。数日間、小屋でじっと過ごしながら、彼は何か道を切り開くアイデアを探していました。 そんな時、海辺で日本人が貝を掘っているのを見かけます。サミュエルはその光景に強く惹かれました。貝殻の美しさが彼の目を引き、「この貝は、何か価値があるのではないか?」と直感的に感じ取ります。これらの貝に加工したり細工を施せば、珍しくて美しい作品になり、それを売りさばけば、商売のチャンスが生まれるかもしれない…そう考えたサミュエルは、行動を起こしました。 毎日、貝を集めてはロンドンの父親に送り続ける日々が始まります。父親はロンドンでそれらの貝殻を売りさばきます。珍しさに作品たちは飛ぶように売れ、次第に資金が貯まり始めました。湘南の美しい貝殻が、彼ら親子にとって大きな富をもたらし、サミュエルはその後、自分の会社「サミュエル商会」を設立することになります。